フライトナースはドクターヘリに乗り込んで、フライトドクターとともに救急患者の初期治療や看護活動などを行う看護師のことです。ちなみにフライトナースというのはフライト(飛行)とナース(看護師)を合成した和製英語です。
2001年、岡山県で「ドクターヘリ導入促進事業」が始まってから、全国的にドクターヘリ(救急医療専用ヘリコプター)の認知度が高まり、過疎地や離島などが多く持つ道府県を中心にドクターヘリが導入されてきています。
救急救命処置が必要な患者が発生したとき、現場の要請を受けてこのドクターヘリが出動しますが、このドクターヘリに搭乗するのがフライトドクターとフライトナースです。救急車の何倍ものスピードで患者のもとへ駆けつけて、救急隊員と協力して迅速かつ適切な救急処置を行います。
現場でのフライトナースの具体的は仕事は、静脈路確保や、ドクターの処置の補助、情報収集、患者及びその家族のケア、看護記録の記載などを行います。搬送中も、意識の確認やバイタルサインの測定を実施して搬送先の病院に着くまで看護を実施します。
まず必ず必要なのは、看護師の資格なので国家資格を取得するところからスタートします。といっても、必要な資格は看護師の資格のみで、フライトナースになるために特別な資格はありません。しかし、実際の運用としては、ドクターヘリを持つ病院は、その病院ごとにフライトナースの選考基準が設定されています。例えば、看護師としての勤務経験が5年以上あって、救命救急センター等で救急外来の経験があることという条件に、さらに心肺蘇生法や心臓マッサージの技術を習得していること、あるいは習得するための講習会や、応急治療技術を習得するための講習会を受講していることなどが条件としてあげられています。(病院毎の選考基準ではなく、基準の全国共通化も検討されている)
フライトナースはフライトドクターと運行スタッフとともに現場に向かいますが、現場では患者のほかに救急隊員がいるかいないかという少人数の体制で救急救命処置を行いますので、常に最新の救急医療の知識をもっていなければいけないのと、的確な救急医療・看護技術が提供できることが必要です。救急現場では患者や関係者がパニックに陥っている状況にも遭遇する場合が多く、その場合でも冷静な状況判断とコミュニケーション能力が必要となります。
当サイトについて
私は子どもの頃から看護師に憧れていました。長じてテレビで救急医療のドラマを見たことから、救急センターのような医療現場で看護師として働きたいと考えるようになりました。そして看護師の資格をとったときに救急外来のある病院に就職したのです。その後、経験を積み重ねて、ついに救急医療の最先端であるドクターヘリの乗務員、フライトナースになることができました。まだまだ上を目指して勉強をしている過程ですが、フライトナースという職業の存在を広めたくて、このサイトを作ってみました。