フライトナースになった経緯は人それぞれです。私自身は救命救急のテレビドラマをみたことがきっかけで、救急医療現場で働く看護師を目指し、その後、より緊急性の高い現場に出向くフライトナースに転身したのです。私の後輩にも似たような経緯でフライトナースになった人がいます。彼女を仮名Y子さんとして紹介いたします
Y子さんは、子どもの頃から看護師に興味があったのですが、看護師になろうとした一番のきっかけは、彼女の祖母が入院して、お見舞いに行った時『あなたの笑顔を見ていると元気になるわ』と言われたことです。その時のうれしさが看護師志望を決定づけました。その後、Y子さんは、大学に進学し1年目の授業でフライトナースのことを知りました。ドクターヘリの需要が高まり、ドクターヘリで働く医師や看護師が必要との観点から、フライトナースの試行授業が開かれたのです。その授業でフライトスーツに身を固めたフライトナースの映像を見て、「かっこいい」と思ったのです。
さらに、その後の救急看護の授業で、救命救急の現場や仕事内容を聞いているうちに、最先端の現場での人助けの重要さを知り、救命救急の看護師を目指すようになり、その先にフライトナースになる自分を描くようになりました。
Y子さんは、看護師の国家試験に受かった後、前から目をつけていたドクターヘリのある病院に応募して、無事採用されました。それから、フライトナースを目指して、5年間通常の看護師の業務がんばってきました。そして、救急外来などの勤務を経て、念願のフライトナースになることが出来たのです。 Y子さんの勤務する病院では、フライトナースのシフトに入っても、基本的には救急外来の業務の一形態という扱いでしたので、通常の病院勤務中にドクターヘリの出動要請が入ると、その日の当番のフライトドクター、フライトナース、ヘリのパイロットと整備士にホットラインで連絡が入り、すぐに屋上のドクターヘリに向かいます。ドクターヘリは出動要請があってから3分以内には離陸します。ですから、必要な機材やバッグ等は、朝の引き継ぎとブリーフィングの際に必ず確認をしておきます。
万が一、機材に故障やバッグ内の備品に欠品があったら、取り返しのつかないことになるからです。命を預かる最先端の現場でミスは許されません。責任は重大です。でも、Y子さんは、その重圧の中で仕事をやり遂げ、搬送先の病院で無事に回復した患者さんの姿をみると、やりがいを感じ、本当にフライトナースになって良かったという喜びも噛みしめるのだそうです。
当サイトについて
私は子どもの頃から看護師に憧れていました。長じてテレビで救急医療のドラマを見たことから、救急センターのような医療現場で看護師として働きたいと考えるようになりました。そして看護師の資格をとったときに救急外来のある病院に就職したのです。その後、経験を積み重ねて、ついに救急医療の最先端であるドクターヘリの乗務員、フライトナースになることができました。まだまだ上を目指して勉強をしている過程ですが、フライトナースという職業の存在を広めたくて、このサイトを作ってみました。